ゆふいんの森1世のキハ71系ディーゼルカー

JR九州で1989年3月のダイヤ改正で誕生した、博多から大分の由布院を経由し別府を結ぶ、特急ゆふいんの森3号・4号で運用されているゆふいんの森1世は、国鉄ディーゼルカーのキハ58形・キハ65形を改造し登場した、ハイデッカー型の車両です。

当初は3両編成でしたが翌年の1990年4月に現在の、4両編成で運転される様になりました。車内は960mmのシートピッチを備える、普通車のリクライニングシートとビュッフェおよびアートギャラリー(現在はサロンロームに改められております)を備えております。

2003年に種車のキハ58形・キハ65形のエンジンおよび変速機の老朽化・陳腐化が著しくなった為、コマツ製の新型エンジンと多段変速機に交換され、最高速度も95kmから120kmに変更されました。

誕生から25年以上経過した初代「ゆふいんの森1世」も、1999年に新製された「ゆふいんの森3世」のキハ72系と共に今後も暫くは、久大本線沿線の風景をハイデッカー構造で眺めながら移動できる特急列車として、活躍して行くものと思われます。

私が最初にゆふいんの森1世号に乗車したのは、今から25年前の1991年9月に九州へ旅した時に乗車いたしました。
ハイデッカーの座席から由布岳を眺め、ビュッフェで食べた食事は駅弁販売の無くなった現在の久大本線には、欠かせない設備だと思います。

博多から大分・別府方面の特急列車は、特急ソニック号(一部特急にちりん号)が小倉周りで数多く運転されており、振り子式車体でグリーン車も連結されておりますが、久大本線を経由するゆふいんの森号にはキハ71系キハ72系共に、グリーン車は連結されておりません。しかし特急ソニック号(一部特急にちりん号)は、小倉から方向転換し運転される為、車内の向きを変えなければなりませんが、ゆふいんの森号は方向転換はございませんので、車内で座席の向きを変えるのは4人グループで向き合って移動する場合のみになりますので、煩わしさは無いのも嬉しい列車です。また前述の通りビュッフェやサロンも連結されておりますので、単線の久大本線でもゆったり快適に過ごすことができます。

ゆふいんの森号が検査で運休の場合は、特急ゆふ号のキハ185系が臨時列車として運転されます。なお特急ゆふ号も定期列車としてキハ185系で3往復運転されており、博多~大分・別府を結んでおります。列車は3両編成ですが2号車の半室車両には、JR四国時代に半室グリーン車として営業運転されていた車両もあり、JR九州へ譲渡されて全室普通車扱いになりながらも、座席は当時のグリーン車座席が使用されているお得な車両がございます。

フリーストップのリクライニングシートではございませんが、グリーン車として深くリクライニングができて、足置きもございますので、特急ゆふ号で移動される方々は狙って指定券を購入してみては如何でしょうか。

この秋、ハイデッカーから眺める久大本線由布院周辺の紅葉見物にも、ゆうふいんの森号は欠かせない列車です。

写真は鹿児島本線の撮影地、天拝山~原田間を通過する、別府行き特急ゆふいんの森3号。(2008年12月撮影)

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