全廃から4年経ったダブルデッカー新幹線E1系Max

1994年から2012年迄、東北新幹線上越新幹線で運転されていた、JR東日本E1系2階建て新幹線Max(以下E1系)が全廃されてから4年が経ちました。

E1系新幹線は東京駅の発着枠が少なかった時代に、東北新幹線の需要に対応する為、1994年に12両編成6本の合計72両が製造されました。

東北新幹線で輸送力増強に貢献したE1系でしたが、2階建て新幹線の為スピードが最高速度240kmに抑えられ、1997年3月の秋田新幹線開業時のダイヤ改正で、スピードアップでダイヤのネックとなっていたE1系は、東北新幹線での運用が減少し上越新幹線へ転属して行きました。東京~仙台間の1往復の運用で残っていたE1系Maxやまびこ号の運用も、1999年12月の山形新幹線新庄延伸に伴うダイヤ改正で、東北新幹線の運用は全廃し仙台総合車両所から、新潟車両総合所へ全て移動となりました。

上越新幹線へ転属されたE1系は、Maxとき号やMaxたにがわ号で活躍し、冬季の上越新幹線のスキー輸送時には、E4系Maxと共に輸送力増強に貢献いたしました。また2004年10月に発生した新潟地震で被災した200系の廃車に伴い、代替運用にも入り車両不足を補いE4系東北新幹線から捻出されるまで、E1系は大きく活躍いたしました。

この様に上越新幹線の輸送力増強に活躍して来たE1系ですが、老朽化とダブルデッカーと言う特殊構造と、スピードアップが望めないとの理由で、E5系の増備で捻出されたE2系上越新幹線の運用に就くと、E1系は2012春のダイヤ改正から運用を減らし廃車されて行きました。そしてその年の2012年9月のダイヤ改正で、上越新幹線での運用を終了し翌10月下旬にさようなら運転を以て全廃されました。

僅か20年の活躍でしたが、東京駅が1面2線のプラットホーム時代に、東北新幹線の輸送力改善としてオール2階建て車両として貢献し、上越新幹線では冬季のスキー・スノーボードの乗客を少しでも多く乗せ、上越新幹線の混雑緩和に貢献した功績は大きいと思います。また上越新幹線での新幹線通勤輸送にも功績を修めたE1系Maxは、JR東日本ダブルデッカー新幹線の名車でした。

私も東北新幹線運用時代にMaxやまびこ号を、北上から大宮間のグリーン車と、上越新幹線のMaxとき号で大宮~新潟間と、Maxたにがわ号で大宮~越後湯沢間でそれぞれグリーン車に乗車いたしましたが、1人での移動時によく1用のグリーン席を狙って利用いたしました。2階から眺める景色とE1系売店で購入した弁当や飲み物を飲食しながら、上越新幹線の越後湯沢~長岡の雪景色は、今でも脳裏に焼き付いております。

上越新幹線で運用されている姉妹形式の、E4系も間もなく全廃の予定ですので、まだご乗車されていない方や撮影されていない方はお早目にお済ませ下さい。

写真は上越新幹線撮影地 上毛高原~越後湯沢間を通過する、Maxたにがわ号越後湯沢行き。(2012年9月撮影)


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