車歴を調べてみました

こんばんは。昨日からの大雪の影響で、山陰地方の日本海側では現在も大雪の影響による混乱が続いております。
さて写真の撮影地は、大阪島本と京都山崎のサントリーカーブですが、今日は写真に掲載されているEF81交直流電気機関車38号機に関する、車歴を調べてみました。(以下EF81 38)
EF81 38は1969年10月18日に三菱で製造され、日本海縦貫線の貨物列車牽引用として、富山第二機関区(現JR貨物富山機関区)に配置されました。
新製当初は羽越本線も電化されていない時代でしたので、当初は新潟~金沢貨物ターミナルを結ぶ、車扱い貨物の牽引や直江津~富山・金沢を結ぶ旧型客車の普通列車の牽引に、使用されておりました。
その後、羽越本線の電化開業で日本海縦貫線が全線で電化開業に伴い、大阪吹田貨物ターミナル~秋田貨物更に奥羽本線電化開業で東青森へと運転範囲が拡大されました。
国鉄時代は富山第二機関区配置の機関車も、旅客を牽引しておりましたので、一部は寝台特急日本海号や同つるぎ号も牽引に就いておりました。
1987年4月にJRが発足し、EF81 38は名称が変更された富山機関区へ、継続配置されることになりました。富山機関区へ引き続き配置されたEF81 38はその後も、大阪吹田貨物ターミナル(一部の貨物列車では、百済貨物へ直通していたと思います。)~東青森信号所迄は、コンテナ貨物列車の牽引を中心に運用されておりました。また新潟貨物ターミナル・富山・金沢から大阪吹田貨物ターミナルへの、コンテナ貨物列車の運用にも就いておりました。
製造から25年近くを経過した同機は、1995年頃に更新工事を受け従来のローズピンクの塗装に、白帯を入れた更新機として後半人生を過ごしました。
その後、EF81の老朽化により次世代機関車として、JR貨物日本海縦貫線用として新たに、EF510を製造し初期車で未更新のEF81を中心に置き換えて行きました。
そして遂に2009年3月のダイヤ改正でEF81 38は、日本海縦貫線の貨物列車から運用を離脱し、2009年3月31日付けで廃車となりました。同機が新製配置から廃車になるまで、富山機関区生え抜きの機関車でしたが、一度も転属せずに北陸本線を中心に主に貨物列車牽引用として、約40年近くを過ごしたのも奇跡に思える活躍だと思います。
冬季の日本海縦貫線は豪雪で、長距離運用に充当されるEF81も、経年の機関車を中心に故障も頻発したのではないかと思います。確かに日本海縦貫線の貨物列車牽引用として、耐寒耐雪や日本海からの強風による塩害対策は施されているものの、大阪~青森の約1000km近い道のりを往復すれば、下回り機器の痛みも激しくなったのではないかと思います。
廃車されたEF81 38号機はその後、2010年10月頃?に廃車回送の為、広島機関区に無動力回送されその後2年近くは同機関区で留置・放置されておりましたが、2012年10月上旬頃に解体されてしまいました。
本日掲載した写真は、2001年1月に前述のサントリーカーブで撮影した、福岡貨物ターミナル発、札幌貨物ターミナル行きのコンテナ貨物列車です。撮影地のサントリーカーブを長大編成のコンテナ貨物列車を牽引し、通過するシーンは正に圧巻だと思います。
コンテナの種類も豊富で色取り取りのコンテナを積んで、力強くアウトカーブを通過するシーンを撮影できたのは、貴重な体験だと思います。
現在、日本海縦貫線を牽引する貨物列車は、ほとんどがEF510の牽引に置き換わり、EF81が貨物列車を牽引して、サントリーカーブを通過するシーンは見られなくなりました。
2017年1月現在、EF81はJR東日本の臨時列車の「カシオペア紀行」やイベント列車の牽引に使用され、JR西日本でもサロンカーなにわ号等の、ジョイフルトレイン牽引用として使用され、JR貨物では九州地区の貨物列車の牽引に活躍しております。
今暫くはEF81の活躍も見られますが、国鉄時代に製造された同機は経年も経っておりますので、JR貨物の九州地区の機関車も今後は、EH500EF510に置き換えられる可能性も高いと思います。
JR東日本JR西日本では前述のイベント列車の運転用に、僅かながらも残ると思いますが、何時まで元気な姿が見られるのか気になる処でもあります。
EF80の改良版としてデビューし、国鉄の直流・交流50Hz/60Hzを1台の機関車で牽引可能にしたEF81は、交流区間での性能はED75に比べ落ちるものの、通しで運用できる機関車としての長所は、功績の大きい機関車だと思います。



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