勝田車両センターへ配置されていた頃のE653系は、特急フレッシュひたち号の専用特急列車で、特急スーパーひたち号への運用はございませんでした。その他に臨時列車で北は青森から南は伊東まで、臨時列車として運転され、車両ごとに塗装もバラエティーに富んでおりました。
特急フレッシュひたち号も、7両編成のみの編成から、11両編成・14両編成の組み合わせで運転されて来ましたが、付属編成同士を連結した8両編成での運転はございませんでした。
勝田車両センターに配置されたE653系も、常磐線の特急列車をE657系10両編成へ統一して置き換える事が決定し、651系と共に2013年3月のダイヤ改正で、常磐線特急での運転を終了いたしました。なおこの時に特急スーハーひたち号と特急フレッシュひたち号の愛称は、特急ひたち号と特急ときわ号に改称され廃止されました。
常磐線特急での運転を終えたE653系はその後、全ての車両が郡山総合車両センターで改造され、特急いなほ号用の1000番台として再デビューいたしました。改造の際には新製時には製造されていなかったグリーン車が、1号車に設けられ、定員18名の3列シートのゆったりしたグリーン車へ生まれ変わりました。その際に外観の塗装も塗り替えられ、全て特急いなほ号カラーに統一されました。
一方、付属編成の4両は暫く勝田車両センターへ配置され、臨時列車で使用されて来ましたが、2014年3月を以て勝田車両センターから撤退し、特急しらゆき号用として改造されました。なお特急しらゆき号用の車両には、グリーン車への改造はございませんでした。ただ外観の塗装はしらゆき号用の塗装に変更され、特急いなほカラーとは異なる装いで、再デビューいたしました。
その他に臨時列車として、週末を中心に新潟から千葉舞浜や東京を結ぶ、京葉線経由の臨時列車や、冬季には大宮から高崎線・上越線・北越急行ほくほく線の十日町を結ぶ、臨時列車にもE653系が使用されております。
梅雨の時期、関東地方は南岸に停滞する梅雨前線の影響で、雨も降りやすく曇り空の日も多いですが、梅雨前線から離れた日本海側は、この時期は天気も安定しておりますので、E653系を羽越本線・白新線・信越本線で撮影するには、絶好のベストシャッターチャンスでも有ります。