営業運転から間もなく25周年を迎えるJR九州787系特急電車

JR九州787系特急電車(掲載写真参照)が営業運転開始してから、今週15日で25周年を迎えます。

1992年7月15日のダイヤ改正で、特急つばめ号でデビューした787系特急電車は、JRグループで始めてのビュッフェを復活させました。

車内は1号車の西鹿児島(現 鹿児島中央)寄りは、トップキャビン・サロンコンパートメントのグリーン車・グリーン個室が連結され、3号車には前述のビュッフェと簡易コンパートメントが連結され、旧国鉄型特急電車の485系とは全く趣も異なる、斬新なデザインで登場いたしました。数多くの賞を受賞した787系はその後、JR九州の特急電車の883系885系に受け継がれました。

JR九州専属のデザイナー、水戸岡鋭二さん初のJR九州の特急電車787系は、ブルネイ賞・グッドデザイン賞鉄道友の会主催のブルーリボン賞を受賞いたしました。

特急つばめ号では当初、787系の他に前面展望が楽しめる、783系特急電車のハイパーサルーンも運用に就いておりましたが、787系を選ぶ旅客が多く数年で787系に統合されました。

その他に特急つばめ号以外では、特急かもめ号・特急にちりんシーガイア号等に投入されて行きました。

2000年になると特急有明号の短編成化で787系を使用する為、一部の付随車が先頭車に改造され4両編成の787系もデビューいたしました。

140両が製造された787系ですが、九州新幹線新八代鹿児島中央開通後は、博多~新八代の連絡特急リレーつばめ号として運転され、運転距離の縮小やビュッフェの廃止、トップキャビンのスーパーグリーン車化の改造を経て、2011年3月12日の九州新幹線博多開業で廃止されるまで、その姿で運転されました。

九州新幹線の博多~新八代間の開通で、廃止された特急リレーつばめ号に使用された787系は、485系を置き換える為783系と共に、日豊本線で運転されていた485系特急にちりん号・特急ひゅうが号。特急きりしま号を、置き換えJR九州485系を全廃させました。

787系も鋼鉄車体で、783系のステンレス製よりも外板の傷みが激しく、塗装が剥がれて痛々しい車両も有る事や、九州新幹線の全線開通と、2013年10月にデビューした豪華寝台特急ななつ星のデビュー後は、ちょっと色褪せてしまった感じがして残念になります。

初期車両も製造されて25年経ちましたが、今後も暫くは現状の姿でJR九州の特急電車として、運転される事と思います。

JR九州長崎新幹線の開通や、少子高齢化を見越して在来線特急の新製は、ディーゼル特急位しか投資しない状況かと思いますので、JR九州島内の交流電化区間を走れる787系を改造して、豪華寝台特急ななつ星の廉価版として、やや豪華な車両へ改造してみては如何でしょうか。

例えば元ビュッフェの3号車の車両を食堂車へ改造し、簡易個室の4人掛けテーブルのシートは、レストランスペースとして流用し、1号車のグリーン車もガラスのパーテーションを撤去し、全てゆったりしたスーパーグリーン車又はグランクラスに改造し、グリーン個室に関しては2号車へ設置して、1人用~4人用の個室とにすれば良いと思います。その他に4号車の普通車をラウンジにし、5号車と6号車は畳敷きの車両等にすれば良いと思います。

車両の配置区は南福岡車両区配置で、博多発着のツアー列車として、長崎・鹿児島中央・宮崎方面へのジョイフルトレインとして、営業運転をすれば良いと思います。

豪華寝台特急ななつ星では客車で、7両1編成しか無く全般検査中の為、夏季輸送にあまり対応できません。今後も検査時に於いては、運転不可能な日もございますので、代替車両として787系をキハ47系ディーゼルカーを改造した「或る列車」の様な設備の車両を、特急型電車を改造する事により、ななつ星が検査中の場合でも、豪華列車の旅を、味わえる様にして欲しいと思います。

非電化区間への入線は不可能な為、交流電化区間のみの運転となりますが、6両又は7両1編成を豪華廉価版の車両として運転すれば、787系もまた魅力を取り戻せると思います。

JR九州の今後の動きに注目したいと思います。


写真は鹿児島本線(現 肥薩おれんじ鉄道)の西方~薩摩大川を、東シナ海バックに走る787系特急つばめ号。
現在、同区間第3セクター肥薩おれんじ鉄道に移管され、ディーゼルカーが1両~2両編成で運転されている。なお同鉄道は鹿児島本線時代からの電化区間だが、JR貨物のEF81・ED76電気機関車牽引の貨物列車のみ、電化区間で使用されている。

撮影日2003年12月27日


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