同地下鉄のチョッパ制御の電車として誕生した6000系は、斬新な非対照的な前面デザインと、新しい制御方式の電車として評価され、当時の営団地下鉄としては初の、鉄道友の会主催の第12回ローレル賞を、1972年に受賞いたしました。なおローレル賞の受賞盤は、第2編成に取り付けられております。
6000系は自社の千代田線運用の他に、JR(当時は国鉄)常磐緩行線と、小田急電鉄線にも乗り入れし運用されておりました。長距離電車では常磐緩行線の取手から、小田急線の本厚木行の電車も設定され、茨城県・千葉県・東京都・神奈川県を一気に運転する、列車にも活躍いたしました。
6000系電車の特徴は、乗降ドアがドーンと言う音がする為、鉄道ファンの間では「爆弾ドア」と揶揄され、6000系と同じデザインと性能を受け継いだ、有楽町線・副都心線の7000系、半蔵門線の8000系電車にも、「爆弾ドア」は引き継がれました。
353両が製造された千代田線用の6000系電車ですが、試作車は1968年に3両編成で製造され、永年に渡り千代田線の綾瀬~北綾瀬間の支線で活躍して来ました。(その他に東西線から転属して来た5000系も、運転されておりました。) なお綾瀬~北綾瀬間は現在、東西線から転属し千代田線支線用に改造された、05系電車3両編成が活躍しております。
経年20年を越えた車両は、更新工事を受け側面の表示器がLED化された車両や、一部非冷房の車両の冷房取り付け改造工事も行われ、2009年までは全編成健在でしたが、千代田線のホームドアの設置工事と6000系電車の老朽化の為16000系への置き換えが始まり、検査期限に迫った車両から廃車解体が開始されました。
また状態の良い車両は、インドネシアの鉄道へ譲渡され、現地では従来のグリーン帯から派手な、赤・黄色を加えた塗装に変更されて運転しております。インドネシアへ譲渡された6000系電車は冷房付の為、現地では好評になっているとの事です。
インドネシアへの譲渡から外れた6000系は、他の鉄道会社への譲渡も無く、そのほとんどは廃車解体されておりますが、長大編成向けでチョッパ制御やVVVFインバータの車両だと、中小私鉄も使い辛いのかも知れませんね。
さて6000系電車は現在、小田急線への乗り入れは後継の16000系に引き継がれ、終了いたしましたが、JR常磐緩行線への乗り入れは現在も、継続されております。運用編成も少なくなり、常磐線の撮影地で6000系を待っていても撮影できない機会も増えて来ましたが、ネットに運用表も掲載されておりますので、足を運ぶ前に運用を確認して行けば、6000系電車を撮影できる機会は有ると思います。
2011年8月撮影(後追い撮影)