都会の風景も間もなく見納めになるE351系電車

特急スーパーあずさ号で運転されているE351系ですが、今月23日にデビューするE353系の登場により、来年3月のダイヤ改正までに、E351系の特急スーパーあずさ号は全て見納めとなります。

E351系は現在、長野の松本車両センターに量産先行車・量産車の合わせて60両が全車、配置されております。それら全てが廃車解体される様で、何度か乗車して来た私にとっては、寂しい限りでございます。

今から24年前の1993年12月に、老朽化した国鉄型特急電車の183系・189系を置き換えと、中央高速を経由する高速バスへの対抗策として、JR東日本では初めての振り子式特急電車として、デビューいたしました。

1993年12月の時点では、量産先行車のE351系2編成のみのデビューで、その当時は付属編成4両が松本方に連結されておりましたが、量産車では基本編成が松本方へ変更され、付属編成4両は東京方へ編成変更されました。なお量産先行車2編成も、その後は量産車と同様に改造され、編成も方転されております。

1997年10月に大月駅構内で、E351系の特急スーパーあずさ号と201系電車の衝突・横転・脱線事故が発生し、事故を起こした車体は現地で解体され、新しい車体に載せ替えられて機器類流用で、復帰した編成もございました。事故を起こした編成で、予備車が不足した特急スーパーあずさ号には、復旧までの繫ぎ運転として長野新幹線(現 北陸新幹線)の開通で余剰になった、特急あさま号で使用された189系電車が、あさまカラーで中央東線を運転し、中央東線の撮影地では鉄道ファンが、カメラを向けるシーンに出くわしました。

その後は大きな事故やトラブルも無く、製造から20年近くの歳月が過ぎたE351系も、振り子式と言う特殊機器の車両の為、長野総合車両センターでの検査では、かなり現場の労力も掛かっている事や、制御器もあまり良く無い製品の為、他のJR型車両の特急電車に比べると、大変みたいな様でした。

しかしながら併走する、中央高速バスへの対抗策として、カーブの多い中央東線をスピードアップし東京・新宿~松本間を、約150分で運転して来たその功績は大きいと思います。

この年末年始はE351系E353系の、乗り比べを行う鉄道ファンも多いと思いますが、E351系も特殊機器を搭載しメンテナンスで労力が掛かるとは言え、国鉄型の189系特急電車よりも先に全廃するのは、やはり残念としか言い様がござません。

臨時の特急あずさ号や特急かいじ号のみならず、付属編成4両は小回りの良さを考えて、振り子機能は生かさずに富士急行線の特急電車として、東京・新宿から運転しても良かったのでは無いかと思います。東京・新宿および千葉~甲府・河口湖行の特急として、大月駅で分割併合して運転する、特急かいじ号・特急富士山号でも良かったかなと思いますが、皆さんの意見は如何でしょうか。

E351系の引退まで時間は刻々と迫っておりますので、この週末や年末年始は、沿線撮りとして撮り鉄乗り鉄をして、JR東日本最後の振り子式特急電車を、見送ってみては如何でしょうか。

※写真は中野~高円寺を走る、松本行きの特急スーパーあずさ号。都会の風景をバックに走るE351系も、来年の暮れにはもう見る事はできない?

撮影日2017年12月10日




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