物流への影響も出て来ております

今回の大雨は8日9時現在、死者53名と行方不明者55名と多数の被害をもたらしました。

行方不明者の方の安否も気になりますが、一刻も早く無事が確認できる事を、願うばかりでございます。

さて今回の大雨は東海から九州に掛けて、梅雨前線が西日本を中心に停滞した為、河川の氾濫や土砂崩れ等の災害も引き起こしました。

現在でも鉄道路線や道路では、運転見合わせや通行止めが続いており、被害の無かった関東や東北、北海道でも物流の面の影響が、少しづつ出て来ております。

昨日の鉄道ブログでもお伝えした通り、山陽本線には多数の貨物列車が運転されており、上下線で合わせて約100本近い貨物列車がほぼ毎日、運行されております。

それが今回の大雨による豪雨の影響で、路盤流失や土砂の崩落が発生し、関東・東海・関西と山陽・九州地区等を結ぶ貨物列車も、運転できない状態でございます。

物流の面で貨物列車の本数の多い事からも、JR西日本JR貨物にとっては、重要な路線の山陽本線ですので、優先的に復旧作業が今後、行われるかと思います。

その間は繫ぎとして急ぎの届け物で、軽い荷物は航空便に委託し、重たくて日数に余裕の有るものはフェリーなどの船便で、貨物輸送を行うと思います。国や政府もまず最初に道路を復旧させますので、山陽道中国道国道2号線の通行止めは早期に、解除させる方針かと思います。

それと同時に山陽本線も復旧させる為に、突貫工事で早期に復旧に結び付けると思いますが、ローカル線等の復旧は逆に、時間を要しそうな感じがいたします。

あとは山陽新幹線に限り、軽い荷物に関しては16両編成ののぞみ号やひかり号に、積載して輸送するのも案かと思いますが、これもわざわざ積み直し等の作業が有り、コストも掛かりそうなので現実的では無いかと思います。JR東海も今回の有事とは言え、新幹線の空席に荷物を積載して、輸送させる事には許可しないと思われますからね。何せドル箱の新幹線で、東京・名古屋・京都・大阪を結んでおり、利用者も多いですからね。

あと気になったのは、山陽本線で今回の甚大な被害により、長期の運転見合わせならば、山陰本線を経由してはどうかとの書き込みがSNSで多数、書き込みされておりましたが、JR貨物山陰本線で貨物列車を運転させる為の、第2種事業免許も無く、全線がほぼ単線区間で島根の出雲市以西は、ホーム有効長の短い駅も多い中、現実的に考えても難しい状況かと思います。仮に第2種事業免許を取得しても永年、貨物列車が運転されてこなかった山陰本線の一部区間で、乗務員訓練や試運転も必要になり、その為の時間と費用も多く掛かります。

山陰本線の益田~幡生間は線路も軌道強化されていないので、重たいコンテナ貨物列車を走らせるのも、ちょっとやや難が有り過ぎますね。例え運転できたとしても短い編成で、せいぜい3往復程度の運転が、実現すれば良い方でしょうかね。

山陰本線の貨物列車迂回運転は、前述の通り現実的では無く、費用や時間も要してしまいますので、それならば山陽本線を突貫工事で復旧させて、貨物列車を多数運転できる様に復旧させた方が、現実的かと思います。突貫工事で復旧させれば当面、土砂崩れや路盤流失の区間のみ徐行運転で対応し、遅延して運転させた方が山陰本線で無理に貨物列車を運行させるよりも、費用的には安上がりになりますからね。

今後も雨が降り続き、台風8号の進路によっては再び、大きな被害が出てこないとも限りませんので、気象情報を警戒しながら、復旧作業を続けて欲しいと思います。


※写真はJR貨物岡山機関区配置のEF210-14号機が牽引する、東京貨物ターミナル発宇都宮貨物ターミナル行き4093レ貨物列車。
今回の豪雨で、JR貨物岡山機関区の貨物列車も、運休を余儀なくされている機関車多いと思われる。

撮影日2018年6月22日


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