こんばんは。今日の東京は涼しく過ごしやすい1日でしたが時折、雨模様の天気に見舞われました。
今夜、鉄道ブログでお届けするのは、1960年から1981年に掛けて、26605両が製造された国鉄貨車、ワム80000系の英文記事でございます。
こちらの記事は何度かブログで紹介いたしましたが、Japanese RAILWAY ENGINEERINGのVol.1No.5から転載いたしました。
半世紀以上の冊子の為、当然こちらの資料は絶版で再入荷も不可能な冊子でございますので、ワム80000が製造された経緯が、英文で残されているのは、貴重な資料かと思います。
ワム80000も東京汐留~大阪梅田を結ぶ、コンテナ貨物列車の「たから」号がデビューし、直行便タイプのコンテナ貨物以外の、車扱貨物で老朽化した戦前のワム貨物車の置き換えや、日本の高度成長期時代で貨物の需要の増加も相まって、大量に製造されましたが、高度成長期時代の間もない頃は未だ、道路整備も十分で無く鉄道貨物も元気が有った時代でしたので、日数の掛かる車扱い貨物も、或る程度は需要は有ったと思います。
ただ国鉄も1964年の東海道新幹線開業の年から赤字に転落し、JR発足まで黒字転換される事無く消えてしまいましたが、高度成長期で道路整備が進み高速道路も開通すると、国鉄の貨物列車もトラック輸送に奪われ、ダイヤ改正の度に運転本数が減少いたしました。
そして国鉄貨物にとって決定的に貨物に止めを刺したのは、1984年2月のダイヤ改正でヤード方式による、貨物取り扱いの廃止で、この頃からワム80000系も余剰になり、製造年の古い老朽化しや貨車は、売却廃車で民間に倉庫として売りに出されました。
1987年4月にJR貨物以外に旅客会社6社へも、ワム80000系の一部は引き継がれましたが、旅客会社に配置されたワム80000系は、救援物資輸送用等で活用された他は、車両基地の片隅に留置されておりました。
荷物を載せ全国を掛け巡り、ローカル線で貨物列車が運転されていた頃、ワム80000系を見る機会が多かったですが、本線上からは消滅し倉庫として、ほぼ原形の姿で使用されている姿を見ると、往時のワム80000系を知る者にとっては、一抹の寂しさを感じます。
写真は日本の高度成長期時代で、物流の移動も活気づいた頃をイメージする、ワム80000系貨車の英文記事です。(日本鉄道技術協会 1960年12月号より)