悲運だった特急水上号

1997年10月のダイヤ改正で、上野~水上間を運行して来た特急谷川号が、上越新幹線の東京~越後湯沢間の愛称名として使用されるのに伴い、新たな愛称名で誕生したのが特急水上号です。
水上号の愛称名は1963年10月1日から1965年10月1日の2年間、準急みなかみ号として運転されて来ました。1964年10月1日のダイヤ改正で、不定期列車から定期列車に格上げされたのもつかの間、奥利根号に統合され廃止されました。
JRになり久しぶりに愛称名として復活した特急水上号は、上野~新前橋間は特急草津号と併結し、新前橋~水上間は単独列車として運行いたしました。
特急として誕生した水上号ですが、首都圏から水上温泉を結ぶ列車としての性格が強かった為、週末は乗客が多かったものの平日はガラガラでの運行もございました。また並走する上越新幹線関越自動車道とライバルが多い区間での運行だった為、水上温泉の温泉問題が発生してからは、利用客も激減して行きました。
2010年12月のダイヤ改正でとうとう特急水上号は、定期列車の運行を廃止し土休日運転の列車になりました。その後は特急草津号との連結も取り止め、土休日運転も取り止められ季節運行の列車に格下げされました。
私も何度か過去に特急水上号のグリーン車へ乗車いたしましたが、休日は水上温泉谷川岳観光で賑わっていたものの平日はガラガラでした。また新前橋から赤羽まで乗車したグリーン車では、私1人だけと言う日もございました。(この列車は新前橋始発でしたので、水上始発はその限りにではないと思います。)
群馬の温泉では水上温泉草津温泉では、どうしても草津温泉の方に軍配が上がる様で草津温泉群馬県の名温泉として今でも賑わいを見せております。また並走する高速道路も無く渋川から関越自動車道を降りた後は、下道の国道で草津方面に移動しなければならないのも、特急草津号が現在でも利用者が多い理由なのかも知れません。その草津号も現在は651系に車種変更され、グリーン車も3列シートになりましたので、1人旅利用者で埋まっている場合が多いです。
さて特急水上号が定期列車としての運行廃止から5年以上経ちました。当時特急水上号の運用に就いていた185系電車も登場から30年近くが経ち、次世代特急電車の誕生による余剰車両の増加や老朽化、更に営業最高速度が110kmしか出せないハンディもあり廃車される車両も増えて来ました。
185系特急電車も現在定期列車の特急は、踊り子号のみになりました。153系・165系急行型電車置き換えの時に誕生した頃は、普通車は転換クロスシートで登場した為、同期の117系近郊型電車と比較され、特急らしくないと批判されましたが、その185系電車が消えるのも時間の問題かと思われます。
まだ乗車や撮影をされていない方々は、お早目に済ますことをお薦めいたします。
写真は高崎線の撮影地の、熊谷~行田間を走る、特急水上号上野行き。(2010年9月撮影)



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