203系の思い出

2011年9月26日の運行を以て廃止された、JR常磐緩行線東京メトロ千代田線用の電車203系は、1982年に量産先行試作車として1編成が誕生いたしました。1979年に試作車が誕生し、1981年に量産化された201系の地下鉄乗り入れ番と言った車両です。

その後量産車が1984年から製造され、同線で運行されて来た103系1000番台を順次置き換えて行きました。翌年1985年の増備車からは同年に誕生した205系の足回りで使用された、ボルスタ台車を装備しコスト低減を図った、100番台が1986まで増備され、103系1000番台運用車を全て置き換えました。なお103系1000番台は和歌山線・桜井線用の105系に改造されたり、常磐線快速線へ転用されたり、東京メトロ東西線直通の中央・総武緩行線の運用に転属されました。なお1986年に207系900番台VVVF試作車が、10両1編成で誕生しております。(JR西日本207系とは全く関係無い形式です。)

1987年4月1日に国鉄からJR東日本へ全て引き継がれ、前面・側面上部に貼られたJNRマークは、JRマークに貼り直されました。その後は特に運用面で大幅な変更も無く、209系1000番台が2編成増備された以外は、2009年にE233系2000番台が誕生するまで、JR常磐緩行線東京メトロ千代田線での運用が一貫として続きました。(2009年にE233系2000番台の誕生に伴い、207系900番台がさようなら運転を実施しその後、廃車解体されました。)

前述のE233系2000番台が2010年から増備され、203系は順次運用離脱しインドネシアやフィリピンに海外譲渡された車両や、廃車解体された車両も出て来ました。

そして2011年9月26日に、マト(松戸車両センターの略号)55編成での運用を以て、試作車から続いた同線での運行を終了いたしました。

私も何度か203系に乗車いたしましたが、103系1000番台で運行されて来た時代に比べ、静かなチョパ制御の同車の快適性が向上し乗り心地も良くなったと感心しました。抵抗制御103系1000番台が千代田線内の地下トンネル上昇により、東京メトロ(当時は営団地下鉄)からの改善要望も出ておりましたので、203系を誕生させた国鉄はかなりの負担を強いられたと思います。

201系に比べ地味な運用だった203系ですが、海外の新天地で今日も元気に活躍しております。

写真は常磐線 南柏北小金間を走る203系電車。(2011年8月撮影)

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