青森まで運転していた頃の特急いなほ号

新潟と秋田(一部酒田)を結ぶ特急いなほ号が、2010年12月のダイヤ改正まで、新潟から青森を結びJRの在来線昼光特急の最長距離列車になったのは、2001年3月のダイヤ改正で廃止された、大阪~青森の1040kmを結ぶ特急白鳥号が撤退してから、No.1の座に輝き出しました。
車両はJR東日本新潟車両センター485系が使用され、一部の車両にはグレードアップされた3000番台が使用されました。1号車の先頭寄りは半室グリーン車で、その他は普通車の編成で運転されて来た特急いなほ号ですが、上越新幹線開業後、上野から秋田・青森を結んでいた頃は、グリーン車・食堂車を含む12両編成で運転され、特急電車としての威風も感じさせました。
上越新幹線開業後、新潟~秋田・青森を結ぶ特急いなほ号は編成も短縮され、区間も短くなり前述の全室グリーン車や食堂車の連結は廃止され、残念な485系の特急電車として約30年近く運転されて来ました。
新潟~青森の特急電車はいなほ以外に前述の大阪発着の白鳥号が運転されておりましたが、長時間座席だけの特急電車で羽越本線奥羽本線の景色を楽しむ以外は退屈な列車でした。特急白鳥号もJR発足した数年はグリーン車が3列シートになったグレートアップのグリーン車でゆったりできましたが、JR西日本京都総合車両所(当時は向日町運転所)に受け持ちが変更されてからは、4列のグリーン車へトーンダウンし、ガッカリしながら乗車した思い出がございます。
さて485系時代の特急いなほ号には何度が乗車した筆者は、残念ながら新潟~青森間を通しで乗車した経験は無く、新潟~村上、新潟~秋田、秋田~青森でグリーン車への乗車をしたのみでした。秋田~青森で乗車した特急いなほ号は嘗ての特急白鳥号のスジで、2001年3月のダイヤ改正から運転されて来た為、夜間から深夜運行時間帯に差し掛かる同列車は利用客も少なく、座席のリクライニングシートが倒れたままの席や、足元に弁当の空き箱が置いてある等、あまり良い車内の状態ではございませんでした。
ただグリーン車座席は半室ながらも、静かで座席もフリーストップのリクライニングシートだった為、疲れを感じさせない設計だったのは評価できました。
2010年12月のダイヤ改正で秋田~青森間は、特急つがる号に改称され新潟~秋田間に短縮された特急いなほ号は、2013年9月末からE653系に車種変更されグリーン車も1号車に全室タイプ定員18名の座席になりました。3列シートでシートピッチもゆったりし、新潟~酒田・秋田へ機会があればぜひ、乗ってみたいと思います。
写真は奥羽本線 陣場~白沢間を走る、新潟行き特急いなほ号。(2010年11月撮影)


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