JR初の振り子式ディーゼル特急2000系

2016年3月のダイヤ改正で、予讃線の特急しおかぜ号といしづち号の運用から撤退した、JR四国の振り子式ディーゼルカーの2000系は、予讃線の松山~宇和島を走る特急 宇和海号と、土讃線を走る特急 南風号 あしずり号 高徳線を走る特急うずしお号等で活躍中です。
現在59両が前述の特急で運転されておりますが、初期車は四半世紀を越えて運用して来ましたので、そろそろ後継の形式が気になる処ですが、振り子式ディーゼル特急が運転されているのは、JR四国以外ではJR北海道のみで運転されており、そのJR北海道も後継は非振り子式の特急、キハ261系が増備されている状況でございますので、両社とも新しい振り子式ディーゼル特急を登場させる予定は無い様な感じです。
JR北海道の場合、冬季は厳寒な環境で豪雪の中を、振り子式特急ディーゼルカーを走らせるには、かなり厳しい状況でござます。また北海道の場合、札幌への一極集中でその他の主要都市は、人口も減少しており今年12月には留萌本線の留萌~増毛間、更に来年は石勝線の新夕張~夕張間の廃止も予定している状況です。
JR四国の場合、JR北海道の様な厳しい気候では無いので、ハンディーは軽いですが鉄道の経営基盤が弱く、県庁所在地以外の地域では予讃線の一部地域を除けば、残念ながらこちらも人口減少により過疎化が進行しております。
この様な状況でJR四国も新たに振り子式ディーゼルカーの登場には、莫大なコストも要することや振り子式ディーゼルカーを製造して来た富士重工が、鉄道車両の製造を廃止してしまった為、新規の車両製造ができない状況でございます。(新潟トランジスは、振り子式ディーゼルカーの製造実績は無いです。)
今後、新潟トランジスで富士重工からのノウハウを得て、製造できれば良いのですが、今現在でも試作車なり登場していない現状からすると、だいぶ厳しい現状なのが窺えます。
ただJR四国2000系も振り子式ディーゼルカーも、初期車を中心に老朽化しておりますので、現状のままで何時まで走らせられるのかも疑問ですが、車両のリニューアルを実施したばかりですので、こまめにメンテナンスを実施しながら当分は2000系が活躍するものと思われます。
四国地方も高速道路がほぼ整備されて来ましたので、土讃線の様な連続カーブの続く線区に非振り子車両の、ディーゼルカーを今更投入する可能性は低いと思われますし、かと言って土讃線の琴平~高知または伊野間を電化させて、振り子式特急電車を走らせるにも、JR四国だけで工事を実施するには莫大なコストも要しますので、国からの援助や補助は欠かせないと思います。
ただJR四国の振り子式ディーゼルカーは国内初でございますので、もし機会があれば2000系特急ディーゼルカーの走りぷりを堪能してみては如何でしょうか。幸いJR四国にはフリー切符が豊富に発売されており、四国フリーきっぷ・四国グリーン紀行・週末乗り放題きっぷ・バースデイきっぷが発売されております。なお四国フリーきっぷはJR四国以外にJR北海道の主な駅で発売されておりますが、それ以外はJR四国の駅やそのエリアにある、旅行代理店のみでの発売になりますのでご注意下さい。
なお四国グリーン紀行および、利用者の誕生月に限り使用可能なバースデイきっぷは、JR四国の特急グリーン車が利用できます。(寝台特急サンライズ瀬戸号は、利用できません。バースデイきっぷはお連れ様も利用可。但し枚数制限有り。)
2000系ディーゼルカーグリーン車は、先頭車の1号車に連結されておりますので、パノラマグリーン車の旅が楽しめます。(1C席はデッキを挟んで運転台の為、1A・1B席がデッキに人が居なければ、前面展望が楽しめます。)
前述のフリー切符に関する詳細は、最新の時刻表およびJR四国のホームページ等でご確認願います。
この秋、土讃線大歩危小歩危の紅葉を見ながら、振り子ディーゼルカー特急の旅をぜひ、楽しんでみては如何でしょうか。
写真は予讃線 西大洲伊予大洲間を走る、特急宇和海号松山行き。(2008年9月撮影)


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