JR四国で活躍中のキハ32ディーゼルカー

老朽化した国鉄ディーゼルカーの置き換え用および、JR四国発足に合わせて廃車発生品から製造されたキハ32形ディーゼルカーは現在、松山運転所に15両と高知運転所に6両の計21両が配属されております。

運転されている線区は、予讃線 松山~宇和島間・土讃線 土佐山田~須崎間・内子線予土線です。全て普通列車のみでの運転で、快速列車での運転はございません。なおキハ32 3は新幹線0系の前面スタイルに改造され、鉄道ホビートレインとして運転されております。またキハ32 4は海洋堂トレインとして運転されております。

前述の鉄道ホビートレインは、新幹線0系の団子鼻が実際の0系よりも可愛らしいスタイルで改造されており、反対側の運転台は平面スタイルの0系が描かれております。

車内はロングスシートで、トイレは設置されておりません。また閑散線区での運転を考慮し全車、ワンマン仕様になっております。

改造された2両以外はこれと言って特徴の無いキハ32形ですが、1986年~1987年の国鉄民営化発足まで製造された車両の中で同期の、キハ31・キハ54(四国用と北海道用の2種類あり)では余剰廃車(キハ31の廃車車両は、第3セクターくまがわ鉄道譲渡車)と踏切事故で廃車になったJR北海道のキハ54 500番台1両がございますが、キハ32に関しては全車21両が健在なのは、奇跡的だと思います。

小型のバス型車体では後年に誕生した、第3セクターの車両やJR東海キハ11が廃車されている中、JR四国のみの活躍で約30年近く運転されて来た同車も今後は、JR四国オリジナルの車両のディーゼルカーへ置き換えられると思われますが、今暫くは前述の路線で活躍するものと思われます。

イベント用に改造された車両もございますが、基本的にはロングスシートの車内でトイレの設置改造も無く、代わり映えしないキハ32形ディーゼルカーは、外板の塗装変更以外は現状のまま生涯を終えることでしょう。

旅行者にとってはキハ32形ディーゼルカーは、車内がロングスシートでトイレも無く鉄道ホビートレイン海洋堂トレイン以外は面白味も無く不評だと思います。しかしJR四国にとっては前述のブログでも書き込みした通り、キハ40やキハ47の鈍重ディーゼルカーよりも小回りが利き、ワンマン運転で車内はロングスシートの為、効率的な運用ができていると思われます。

あまり鉄道ファンの間でも、鉄道ホビートレイン海洋堂トレイン以外注目されていないキハ32形ですが、製造から30年近く経っておりますので撮影するならばライバルの少ない、今のうちに撮影や乗車されることをお薦めいたします。

写真は予讃線 西大洲伊予大洲間を走る、普通列車宇和島行きキハ32。(2008年10月撮影)


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