試作車デビューから25年を迎えたDF200ディーゼル機関車

北海道で運転されていた、DD51型ディーゼル機関車牽引の貨物列車の重連運用解消と、冬季の厳寒な気候で老朽化による置き換えの為、1992年に開発され試作機が製造されたDF200型電気式ディーゼル機関車(以下DF200)が、デビューしてから25年が経ちました。

50両が製造され、JR貨物五稜郭機関区・愛知機関区・JR九州の大分車両センターへ、配置されております。なおDF200-56号機は2014年2月16日に、石勝線東追分信号場付近で発生した脱線事故により、廃車されました。

DF200の愛称「ECO-POWER RED BEAR」の愛称は、JR貨物が公募して名付けられた、DF200の愛称で側面に車体ロゴが描かれております。(ななつ星用の7000番台を除く)また1994年鉄道友の会ローレル賞を受賞し、ディーゼル機関車としては初の受賞となりました。

DF200は電気式のディーゼル機関車ですが、国鉄時代の電気式ディーゼル機関車は、DF50以来の製造となりました。国鉄時代のDF50誕生の頃は、エンジンの面での性能面で出力不足も有り、開発に未熟な面も有って大量生産されずに、DD51の繫ぎとして製造された経緯がございましたが、DF200誕生時は、DF50誕生時に比べ半導体技術の向上や、VVVEインバーター化を採用し小型化・出力の増大化を計れましたので、スピードアップや牽引力のアップに貢献したと思います。

試作車の長期に渡る試験の結果、1994年から量産車が製造され、北海道地区で活躍し老朽化したDD51を置き換えて行きました。量産車の製造は2013年まで続き、現在は製造を終了しております。

なお五稜郭機関区配置のDF200は昨年、JR東日本所有のE26系客車「カシオペア紀行」を牽引いたしました。JR貨物所有のDF200としては、営業運転の旅客を初めて牽引いたしましたが、ヘッドマークが取り付けられなかったのは残念でした。

JR九州大分車両センター配置のDF200は「ななつ星」専用機関車で、工臨等の牽引には使用されておりません。JR貨物配置のDF200とは外観のデザインや塗装も大幅に異なる感じで、別形式を与えても良い感じの機関車です。

永年、北海道のコンテナ貨物列車で活躍して来たDF200ですが、愛知機関区のDD51の老朽化が激しい為、123号機が製造元の神戸に有る川崎重工業へ回送され、本州向けの改造工事を施して五稜郭機関区から、愛知機関区へ回送されました。なお愛知機関区配置のDF200は、223号機に改番されております。

今後、愛知機関区のDF200が増備されるのかは、現状では何とも言えませんが、JR貨物の貨物列車の運転需要と供給を見て、五稜郭機関区で余剰になったDF200が愛知機関区へ回送されて、使用されるのでは無いかと思います。

愛知機関区のDD51も配置両数が多いので、五稜郭機関区のDF200の捻出を賄えない場合、DE10・DE11置き換え用のDD200の試作機の結果を見て、良好な試験結果で有れば量産車は、愛知機関区へ配置されるのでは無いでしょうか。その時にDD200は汎用性運用として、関西本線の貨物列車と愛知機関区・稲沢での入れ替え輸送を兼ねた運用に、従事されると思います。


DF200も初期型は製造から20年経ちましたので、今後はリニューアル工事や外観の塗装変更も、行われるのでは無いかと思います。

まあDF200も本州の旅客列車を牽引すれば面白いですね。具体的には昨日デビューした、SLやまぐち号の新製レトロ客車のオハ35系4000番台を牽引して、京都・大阪から往年の急行出雲号の牽引や、急行だいせん号の牽引としてDF200が、JR西日本のオハ35系4000番台を連結したら山陰本線の撮影地は、撮り鉄で賑わうのではないでしょうか。その時のDF200の外観塗装も、DF50又はDD54の塗装にすれば、往年の国鉄山陰本線を再現できそうですね。

またJR九州へオハ35系4000番台を乗り入れされる場合の牽引機は、ななつ星専用のDF200が牽引すれば、外観塗装もほぼフィットしますので、こちらも往年の姿を再現できると思います。現代風の新製旧型客車がJR九州に乗り入れて、長崎・宮崎・鹿児島中央まで運転して欲しいと願いながら、DF200の動向に注目したいと思います。

写真は千歳線の北広島~島松間を運転する、DF200牽引のコンテナ貨物列車。

2008年8月撮影




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