初代253系電車特急成田エクスプレス号

おはようございます。今朝の東京は曇空の天気です。皆さん如何お過ごしですか。

成田空港まで鉄道が完全に乗り入れる様になり、当時の成田空港駅(第1ターミナル)までのアクセス輸送として、京成電鉄と共に乗り入れ開始し、JR東日本の新規特急電車として誕生したのが、特急成田エクスプレス253系電車です。
1991年3月18日のダイヤ改正で、東京の新宿・池袋・横浜・大宮から成田空港を結び、東京~成田空港間を1時間以内で結ぶ特急電車として話題になりました。

成田空港から海外旅行客を輸送する主旨で運行された列車だった為、当時は千葉駅も通過しておりましたが、千葉の市長から「通過するなんてけしからん!」とJR東日本にクレームが入った為、朝夕の時間帯に限り現在は数本が停車する様になりました。その後、JR東日本千葉支社管内は千葉以外に、四街道・佐倉・成田にも停車する列車が朝夕時間帯に設定され、千葉から東京方面へ向かう通勤客の利用者向けには便利になりました。

誕生当時の253系電車は基本編成3両編成単位で運行され、東京駅で新宿・池袋・大宮方面からの電車と、横浜・大船方面からの電車を連結・解放しておりました。しかし利用者が増加し3両編成単位では旅客を捌ききれなくなりその後は6両編成に増強され、東京~成田空港間は12両編成又は9両編成で運行されました。(3両編成の車両も一部存置)

誕生当時の車内はグリーン個室と1人用座席のグリーン車、固定式ボックスシートの普通車の車内で登場しました。またグリーン個室・グリーン車利用者には、フリードリンクのサービスもございましたが、普通車からの旅客が勝手に持つ出してトラブルになった為、廃止されたのは残念でした。(廃止後は車内販売で対応)

3両編成で存置された編成のグリーン車は利用者の低下と輸送力増強に伴い、普通車に改造されました。また2002年に増備された2編成は、グリーン車が従来の1+1座席の車内から2+1の座席レイアウトに変更され方向幕のLED表示機になりました。

ライバルとなる京成電鉄の特急スカイライナーの、北総鉄道成田アクセス線の開通で160kmの速度で京成上野~成田空港40分運転開始に伴い、JR東日本は従来の253系からE259系に置き換える事を発表し、2009年10月から一部の列車がE259系で運行開始されました。その後も月毎に置き換わり、253系の運行は2010年6月30日を以て終了いたしました。

253系電車は2002年に増備された200番台2編成と、誕生当初の基本3両編成1本を除き全て廃車になりました。200番台は東武日光鬼怒川温泉の特急、日光・きぬかわ用に改造されグリーン車は普通車に変更となり、グリーン個室は車内販売の準備室になりました。また基本3両編成は長野電鉄に売却され現在は同線の特急として運行されております。

253系の多くが廃車になり、3両編成の短い編成も有ったので、E259系登場後も身軽な編成を生かし富士急行乗り入れや、前述の東武日光鬼怒川温泉に直通する特急電車として、下今市で分割併合して鬼怒川温泉から会津鉄道会津田島まで乗り入れして欲しかったと思います。幾ら同車が高速で走行してたとは言え、20年弱で大半の車両が廃車になり上手く有効活用できなかったJR東日本の対応には不満が残ります。

写真は総武本線 物井~佐倉のカーブを通過する、253系特急成田エクスプレス号。 2010年6月撮影

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